(2026年3月時点の情報です)
「簡単な自動制御がしたいけど、PLCを入れるほどでもない」「できるだけ安くシステムを作りたい」──そんなご相談をいただくことがあります。
そこで今回ご紹介するのが、IDECのスマートリレー FL1F形です。PLCよりも低コストでありながら、Modbus/TCP通信やWEBサーバー機能まで標準搭載した、なかなか頼もしい製品です。
KTSでは実際にこのFL1Fを使ってミスミ製タッチパネルとのModbus/TCP通信テストを行いました。その結果も含めてご紹介します。
FL1Fスマートリレーとは?
スマートリレーとは、タイマ・カウンタ・リレーなどの機能をひとつにまとめた小型の制御機器です。PLCよりも簡単に使えて、価格も安いのが特徴です。
FL1Fはその中でも機能が充実しており、以下のような特長を持っています。
- Ethernet通信ポート(RJ45)を標準搭載 ── 専用ケーブル不要でプログラムの転送が可能
- Modbus/TCP通信(クライアント・サーバー)を標準搭載 ── HMIや上位PLCとの通信に対応
- WEBサーバー機能搭載 ── パソコンやスマートフォンのブラウザから遠隔監視が可能
- 最大60点のI/O拡張に対応(DI×24・DO×20・AI×8・AO×8)
- 42種類のファンクションブロック搭載 ── ユーザー定義FBにも対応
- 3色バックライトLCD搭載(型式による) ── 現場での状態確認がしやすい
- microSDスロット標準装備 ── データロギングやプログラム管理が手軽
ミスミタッチパネルとのEthernet通信テスト結果
今回は以前ご紹介したミスミのタッチパネル(PLCP-GX8L-04W-DC-R)とFL1FをEthernetで接続し、Modbus/TCP通信の動作確認を行いました。 結果として、問題なく通信・動作確認が取れました。接続の設定もシンプルで、タッチパネル側のソフトウェアでIPアドレスとModbus/TCPプロトコルを設定するだけで接続完了です。
IDECのFL1FとミスミのGX8LをModbus/TCPで通信テストを行いました。
— KTS|個人事業主・制御盤(業界歴11年) (@KTS_Lab) March 22, 2026
動画では内部リレーでの自己保持、外部入出力のテストをしています。
FL1FはWEBサーバー機能を搭載しているため、単体でも簡易的な遠隔監視が出来ます。
PLC非搭載の既存設備を遠隔監視する際に、低コストでの提案が出来そうです。 pic.twitter.com/M8o4fTnNLY
WEBサーバー機能で遠隔監視もできる
FL1Fのもうひとつの大きな特長が、WEBサーバー機能です。FL1FのIPアドレスにブラウザでアクセスするだけで、パソコンやスマートフォンからFL1Fの入出力状態をリアルタイムで確認できます。 専用アプリや追加ソフトウェアは不要です。現場に行かなくても設備の状態を把握できるため、小規模なIoT化・遠隔監視の手段として非常に有効です。
自作WEB画面も問題なく動作しました。
— KTS|個人事業主・制御盤(業界歴11年) (@KTS_Lab) March 24, 2026
今回はスイッチとランプのみテストをしましたが、タイマ値やカウンタ値の入力エリアも配置出来るため、タッチパネルを設けずにPCを繋いでWEB設定にすることで、盤の小型化も実現できそうです。 pic.twitter.com/q9xmEyBYZh
三菱シーケンサとの比較・使い分けポイント
FL1Fと三菱シーケンサの主な違いを整理します。
| 項目 | IDEC FL1F | 三菱 シーケンサ |
| 導入コスト | 低い | 高い |
| プログラミング | FB言語、ラダー言語※ | ラダー言語など |
| Ethernet通信 | 標準搭載 | 機種による(別途ユニット必要な場合あり) |
| Modbus/TCP | 標準搭載 | 機種による(別途ユニット必要な場合あり) |
| WEBサーバー機能 | 標準搭載 | 機種による(別途ユニット必要な場合あり) |
| プログラムソフト | WindLGC | GX Works3等 |
| 拡張性 | 小規模 | 小~大規模 |
※FL1Fのラダー言語は、PLCのラダー言語とは動作が異なります。
FL1Fが向いているケース
- 小規模なシーケンス制御(タイマ・カウンタ・インターロックなど)
- 導入コストをできるだけ抑えたい場合
- タッチパネルや上位システムとModbus/TCP通信で連携したい場合
- ブラウザから手軽に遠隔監視したい場合
- PLCほど大規模ではない制御システムの新設・更新
三菱などのPLCが向いているケース
- I/O点数が多い・大規模なシステム
- 高速処理や精密な位置制御が必要な場合
- 既存のシステムとメーカー統一・連携したい場合
- 長期的なメーカーサポート・部品供給を優先したい場合
KTSのスタンス
KTSでは基本的に三菱シーケンサをご提案しています。実績・信頼性・拡張性の面で安心してお勧めできるためです。
ただし、制御内容がシンプルで導入コストを抑えたい場合には、IDEC FL1Fも選択肢としてご提案できます。今回の検証でタッチパネルとのModbus/TCP通信も確認できましたので、HMIと組み合わせたシステムにも対応可能です。 「どちらが自分の設備に合っているかわからない」という場合は、まずお気軽にご相談ください。ご要望をお聞きしたうえで最適な構成をご提案いたします。