PLCより安く制御システムを作れる?IDECスマートリレー FL1Fの実力を検証しました

「簡単な自動制御がしたいけど、PLCを入れるほどでもない」「できるだけ安くシステムを作りたい」──そんなご相談をいただくことがあります。

そこで今回ご紹介するのが、IDECのスマートリレー FL1F形です。PLCよりも低コストでありながら、Modbus/TCP通信やWEBサーバー機能まで標準搭載した、なかなか頼もしい製品です。

KTSでは実際にこのFL1Fを使ってミスミ製タッチパネルとのModbus/TCP通信テストを行いました。その結果も含めてご紹介します。


FL1Fスマートリレーとは?

スマートリレーとは、タイマ・カウンタ・リレーなどの機能をひとつにまとめた小型の制御機器です。PLCよりも簡単に使えて、価格も安いのが特徴です。

FL1Fはその中でも機能が充実しており、以下のような特長を持っています。

  • Ethernet通信ポート(RJ45)を標準搭載 ── 専用ケーブル不要でプログラムの転送が可能
  • Modbus/TCP通信(クライアント・サーバー)を標準搭載 ── HMIや上位PLCとの通信に対応
  • WEBサーバー機能搭載 ── パソコンやスマートフォンのブラウザから遠隔監視が可能
  • 最大60点のI/O拡張に対応(DI×24・DO×20・AI×8・AO×8)
  • 42種類のファンクションブロック搭載 ── ユーザー定義FBにも対応
  • 3色バックライトLCD搭載(型式による) ── 現場での状態確認がしやすい
  • microSDスロット標準装備 ── データロギングやプログラム管理が手軽

ミスミタッチパネルとのEthernet通信テスト結果

今回は以前ご紹介したミスミのタッチパネル(PLCP-GX8L-04W-DC-R)とFL1FをEthernetで接続し、Modbus/TCP通信の動作確認を行いました。 結果として、問題なく通信・動作確認が取れました。接続の設定もシンプルで、タッチパネル側のソフトウェアでIPアドレスとModbus/TCPプロトコルを設定するだけで接続完了です。


WEBサーバー機能で遠隔監視もできる

FL1Fのもうひとつの大きな特長が、WEBサーバー機能です。FL1FのIPアドレスにブラウザでアクセスするだけで、パソコンやスマートフォンからFL1Fの入出力状態をリアルタイムで確認できます。 専用アプリや追加ソフトウェアは不要です。現場に行かなくても設備の状態を把握できるため、小規模なIoT化・遠隔監視の手段として非常に有効です。


三菱シーケンサとの比較・使い分けポイント

FL1Fと三菱シーケンサの主な違いを整理します。

項目IDEC FL1F三菱 シーケンサ
導入コスト低い高い
プログラミングFB言語、ラダー言語※ラダー言語など
Ethernet通信標準搭載機種による(別途ユニット必要な場合あり)
Modbus/TCP標準搭載機種による(別途ユニット必要な場合あり)
WEBサーバー機能標準搭載機種による(別途ユニット必要な場合あり)
プログラムソフトWindLGCGX Works3等
拡張性小規模小~大規模

※FL1Fのラダー言語は、PLCのラダー言語とは動作が異なります。


FL1Fが向いているケース

  • 小規模なシーケンス制御(タイマ・カウンタ・インターロックなど)
  • 導入コストをできるだけ抑えたい場合
  • タッチパネルや上位システムとModbus/TCP通信で連携したい場合
  • ブラウザから手軽に遠隔監視したい場合
  • PLCほど大規模ではない制御システムの新設・更新

三菱などのPLCが向いているケース

  • I/O点数が多い・大規模なシステム
  • 高速処理や精密な位置制御が必要な場合
  • 既存のシステムとメーカー統一・連携したい場合
  • 長期的なメーカーサポート・部品供給を優先したい場合

KTSのスタンス

KTSでは基本的に三菱シーケンサをご提案しています。実績・信頼性・拡張性の面で安心してお勧めできるためです。

ただし、制御内容がシンプルで導入コストを抑えたい場合には、IDEC FL1Fも選択肢としてご提案できます。今回の検証でタッチパネルとのModbus/TCP通信も確認できましたので、HMIと組み合わせたシステムにも対応可能です。 「どちらが自分の設備に合っているかわからない」という場合は、まずお気軽にご相談ください。ご要望をお聞きしたうえで最適な構成をご提案いたします。