(2026年4月時点の情報です)
「古い制御盤をそろそろ更新したい。でも新しく作り直すと費用も納期もかかりそうで…」
そんなお悩みをお持ちの設備担当者の方へ。制御盤の更新は、必ずしも「全部作り直す」必要はありません。既設の盤を活かしつつ、必要な部分だけを改造・交換することで、コストも納期も大幅に抑えられるケースがあります。
今回は「改造・部分更新」という選択肢についてご紹介します。
【2026年現在】制御盤の新規製作コスト・納期に影響が出ています
シンナー不足の影響により、制御盤メーカー各社で標準色以外の塗装受注が停止・制限されています。特注色が必要な場合、価格の上乗せや大幅な納期遅延が発生するケースが増えています。このような状況下では、既設盤を活かした改造・部分更新が、コストと納期の両面でよりメリットの大きい選択肢になっています。
「全部作り直し」vs「改造・部分更新」どちらが向いている?
まず、それぞれの特徴を整理します。
| 比較項目 | 全部作り直し(新規製作) | 改造・部分更新 |
| 費用 | 高い(設計・部品・製作すべて発生) | 低く抑えやすい(既設盤・配線を流用) |
| 納期 | 長め(塗装・製作・検査含む) | 短め(盤筐体の調達不要) |
| 塗装の影響 | 特注色の場合は受注停止・遅延リスクあり | 既設盤を流用するため塗装不要なことが多い |
| 向いているケース | 設備全体のリニューアル・大規模更新 | 特定部品の老朽化・機能追加・回路変更 |
| リスク | 費用・納期の読みが難しい時期 | 改造範囲の見極めが重要 |
改造・部分更新で対応できる主なケース
以下のような状況は、全部作り直しよりも改造・部分更新で対応できることが多いです。
部品の老朽化・廃番対応
- リレー・タイマ・電磁接触器などの接触不良・動作不安定
- 廃番になった部品の代替品への交換
- 電源ユニット・基板の劣化交換
機能追加・回路変更
- 既設シーケンサへのI/O追加・プログラム変更
- インバータ・タッチパネルの後付け追加
- 安全回路・非常停止回路の追加
制御方式の変更
- リレーシーケンスからPLC制御への置き換え
- 古いPLCを新しいPLCへリプレイス(盤筐体はそのまま)
- インバータのリプレイス(盤内組み込みのみ対応)── 詳しくは三菱FR-A700→FR-A800のリプレイス解説記事をご覧ください
「この盤、改造で対応できる?」というご相談も承ります。現場写真や既設図面をお送りいただければ、まず概算でお答えします。
改造・部分更新の費用目安(人工費のみ・税抜)
部品代・材料費は別途ですが、作業人工費の目安をご案内します。
| 作業内容 | 目安(人工費のみ・税抜) | 備考 |
| 既設盤の現場調査・図面確認 | 0.5人工〜 20,000円〜 | 改造範囲の確認・既設図面の読み合わせ |
| 回路変更・部品交換(小規模) | 1人工〜 40,000円~ | リレー・タイマ等の交換・回路の一部変更 |
| PLC・インバータのリプレイス(盤内) | 1人工〜 40,000円〜 | 配線変更・パラメータ設定含む |
| 機能追加(I/O追加・回路追加) | 1人工〜 40,000円〜 | 追加規模・既設との干渉状況による |
| 図面修正・竣工図作成 | 0.5人工~ 20,000円〜 | 改造後の図面更新が必要な場合 |
| 試運転・動作確認 | 0.5人工〜 20,000円〜 | 改造規模・確認項目数による |
※部品費・材料費・交通費は別途。価格は改造範囲・現場環境により変動します。正式なお見積りは内容確認後にご案内します。
改造で対応できるか判断するポイント
以下の条件が揃っている場合、改造・部分更新での対応が現実的です。
- 盤の筐体(箱)がまだ使える状態である
- 更新したいのが特定の部品・回路に限られている
- 既設の図面(または現物確認)で回路構成が把握できる
- 制御の基本構成を大きく変えない
逆に以下の場合は新規製作を検討したほうがよいケースもあります。
- 筐体の腐食・損傷がひどく、そのままでは安全上問題がある
- 改造箇所が多すぎて、新規製作より費用が高くなる場合
- 既設の図面が存在せず、回路の全容が不明な場合
判断に迷う場合は、まずご相談ください。現場写真や既設図面をもとに、改造と新規製作のどちらが適切かをご提案します。
KTSに依頼できること
- 既設盤の現場調査・改造可否の判断
- 改造・部分更新の設計・図面作成
- 部品交換・回路変更・機能追加の作業
- PLC・インバータのリプレイス(盤内作業)
- 改造後の試運転・動作確認
- 竣工図面の更新・作成
- 全国への現地出張対応
まとめ
- 制御盤の更新は「全部作り直し」だけが選択肢ではありません
- 改造・部分更新はコストと納期の両面で有利なことが多いです
- 2026年現在、新規製作は塗装問題の影響でコスト・納期リスクが高まっています
- 盤の筐体が使える状態で、更新箇所が限定的なら改造が現実的な選択肢です
- 「改造できるか判断してほしい」という段階からご相談を受け付けています
「古い盤だけど、まだ使えるのか知りたい」というご相談も大歓迎です。まずはお気軽にお問い合わせください。